恋はとなりに
と、決意新たに片思いが再スタート。
今度は妹として近づいていく。
一緒にいても恋愛っぽい雰囲気を出さない。
家族ぐるみで仲良しだったから両親の食事会?飲み会?などに積極的に参加する。
そんでリビングでテレビゲームとか一緒にやったりする。
カケル君も快く相手してくれる。みんなの手前もあるかな。
「さくらちゃんは彼氏とかいないの?」
「可愛いからモテるでしょう?」
カケル君の両親からこんな話題が出るとドキッとする。
カケル君の顔を見たいけど見れない。まだ少し怖い気がする。
「いや、全然モテないです。」
そう言うと「えー?!もったいない!せっかく可愛いのに。なんて成之さんに怒られちゃうわね。」
というのが決まりの話しで。成之っていうのはあたしの父の名前。
あたしには4つ上の姉がいる。引っ越しのとき姉は都会の大学に通っていたので、都会に残りアパートを借りて1人暮らしをしている。
だからここでは一人娘みたいな扱いをされる。
実際は彼氏がいようが構わないはず。成之は。
カケル君は6つ下の弟がいる。あたしは弟があまり好きではない。どちらかと言えば邪魔な存在。
あたしはカケル君と話したいのに、弟のコウタの方が家にいる率が高く会う確率も高くなる。
両親たちはあたしとコウタが仲良しだと思っているらしい。
実際は敵対している。と思ってるのはあたしだけかもしれないけど。
コウタと話す機会があると、あたしは決まって聞いている。
「コウタ、部活やんないの?」
って。
「さくらもやってないだろ?」
決まってこう返ってくる。
年下なのに呼び捨てにされるし。コウタの方が大きいからなんかそれは許せる。
「兄ちゃんこの前また彼女連れてきたよ。すごく色っぽい、さくらは何で色気がないの?17だろ?」
なんて言われた。
色気?!
「母さんたちは何でいつも彼氏いないの?って聞くんだろう。俺はいないのすぐわかる。」
兄弟揃って口が悪い。
カケル君はコウタの話聞いて笑ってる。
あたしは眉間に皺が寄った。
「コウタ、余計なこと言うなよ。さくら怒ってるぞ。」
カケル君は笑いを堪えながら言った。