恋はとなりに

と、決意新たに片思いが再スタート。

今度は妹として近づいていく。

一緒にいても恋愛っぽい雰囲気を出さない。

家族ぐるみで仲良しだったから両親の食事会?飲み会?などに積極的に参加する。

そんでリビングでテレビゲームとか一緒にやったりする。

カケル君も快く相手してくれる。みんなの手前もあるかな。



「さくらちゃんは彼氏とかいないの?」
「可愛いからモテるでしょう?」

カケル君の両親からこんな話題が出るとドキッとする。

カケル君の顔を見たいけど見れない。まだ少し怖い気がする。

「いや、全然モテないです。」

そう言うと「えー?!もったいない!せっかく可愛いのに。なんて成之さんに怒られちゃうわね。」

というのが決まりの話しで。成之っていうのはあたしの父の名前。

あたしには4つ上の姉がいる。引っ越しのとき姉は都会の大学に通っていたので、都会に残りアパートを借りて1人暮らしをしている。

だからここでは一人娘みたいな扱いをされる。

実際は彼氏がいようが構わないはず。成之は。


カケル君は6つ下の弟がいる。あたしは弟があまり好きではない。どちらかと言えば邪魔な存在。
あたしはカケル君と話したいのに、弟のコウタの方が家にいる率が高く会う確率も高くなる。

両親たちはあたしとコウタが仲良しだと思っているらしい。

実際は敵対している。と思ってるのはあたしだけかもしれないけど。


コウタと話す機会があると、あたしは決まって聞いている。

「コウタ、部活やんないの?」

って。

「さくらもやってないだろ?」

決まってこう返ってくる。

年下なのに呼び捨てにされるし。コウタの方が大きいからなんかそれは許せる。


「兄ちゃんこの前また彼女連れてきたよ。すごく色っぽい、さくらは何で色気がないの?17だろ?」

なんて言われた。

色気?!

「母さんたちは何でいつも彼氏いないの?って聞くんだろう。俺はいないのすぐわかる。」


兄弟揃って口が悪い。

カケル君はコウタの話聞いて笑ってる。

あたしは眉間に皺が寄った。


「コウタ、余計なこと言うなよ。さくら怒ってるぞ。」


カケル君は笑いを堪えながら言った。













< 5 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop