恋はとなりに
次の日、町山ゆめはどうなったかというと。
休み時間には足しげく俺のところに話しかけにきた。
用もないのに。
昨日俺が言ったこと、わかっての行動らしい。
なんかこんな女に付きまとわれている所を工藤に見られたくなかった。
けど、逆に見せつけてると思われてるかもしれなかった。
授業が終わると、教室をすぐに出る癖がついた。
トイレにこもったこともある。
町山があきらめてくれるのを待つしかなかった。
「お前も大変だな。」
と友達には言われた。
3月になると、町山は教室には来なくなった。
「やっぱり、もうちょっと大人しい感じの女子がいいなぁ。」
と俺が帰り道友達と話しているのを聞いたのかもしれない。
もうクラスの女子はやだから。別のクラスの女子を物色していた頃だ。
それは俺の中でゲームのような感覚だった。
恋愛シミュレーションのゲーム。