恋はとなりに
もう話すことなんてないし。
邪な気持ちで付き合おうとしたから罰があたったのかな。
邪な気持ち……だったのかな。
コウタを利用してカケル君を忘れようとしたから?
あたしってどうにもこうにも……
悩む。
カケル君の他に好きな人、できるのかな……
まだ考えられないな。
いつかカケル君を越える人が現れるのかな。
でも、無理に忘れようとしてもダメってことだよね。
あたしもいろんな人と付き合ってみたりした方がいいのかも。
今まで、男はカケル君だけって思って生きてきたけど、
もっと視野を広げてみようかな。
そう思えたらなんかモヤモヤしてたものが晴れてきた。
コウタやカケルはほっといて、他の人と付き合ってみよ♪
次の日、学校行って桃子ちゃんに報告した。
河瀬君も一緒に聞いてもらった。
河瀬君は、結構何でも話せる男友達みたいになってきていた。
大体3人で一緒にいる。
「じゃあ二人付き合っちゃえば?」
学食のテーブルにあたしと河瀬君は向かいに座っている。
あたしの横に桃子ちゃんがいる。
桃子ちゃんはのけ反りながら、あたしと河瀬君を交互に指さして言った。
時間が止まったみたく少し考えてしまった。
「え、えー、えぇ?」
とりあえず驚く。
「友達だし。ないよね!」
きっぱり断る。
「でも、何で友達に収まってるのか。あたしは不思議に思ってたの。」
と、桃子ちゃんは言う。
「と言うと?」
あたしは訪ねる
「もともと合コンで知り合ったじゃない?それって
なんかいいな~ってちょっと好きかもって気持ちがあったからこうして今も一緒にいるんじゃないの?」
桃子ちゃんの言葉にハッとさせられた。
そういえばそうだったかも……。
改めて向かいの河瀬君を見つめる。
河瀬君と目が合った。
ニコッと笑っちゃう。
河瀬君もつられたように笑った。
「それとももうそういう気持ちなんにもないの?」
「正直に言うと、なんにもないかも……。」
あたしは笑いながら言った。
「でも嫌いじゃないでしょ。1度デートしてみなよ。いい?河瀬。今度の土曜にでも連れてってあげて。」
桃子ちゃんが強引に言うと、河瀬君は頷いた。
あたしは正直ガッカリしていた……。
初めてのデートなのに、好きじゃない人となんて。
河瀬君は嫌いじゃないけど、すごく好きってわけでもないし。
複雑な気分。
あたしは頬杖ついたまま河瀬君を見つめた。
目が合ったけど今度は笑わなかった。
「どっか行きたいとこある?」
河瀬君が聞いてきた。