恋はとなりに
翌朝。早朝におじさんとおばさんは出てったらしく、見送ることもできなかった。
7時に起きたらテーブルに置き手紙があった。
朝御飯は用意されてなかった。
パンはあるから、焼けばいいんだけど。
ベーコンエッグでも作ってみようかな。
コウタ、食べるかな。
悩むのも面倒なので、聞きに行った。
部屋をノックするも返事なし。まだ寝てるみたい。
ガチャっとドアをあけた。
コウタが寝相よく寝ている。
寝顔をまじまじと見つめた。
カケル君ににてる……やっぱり兄弟だなぁ。
思って見てると突然コウタの目が開いた。
あたしはベッドに肘を付いてコウタを見ていた、二人の距離は30センチ程。意外と近くてお互い驚いた。
いや、コウタの方が驚いてるはず。
あたしは後ろに下がった。
「お、おはよー。」
「さくら何でいるの?」
「おじさんとおばさんもう行っちゃったよ。」
「何でいるの?」
「起こしにきたの。ベーコンエッグ作るからコウタの分作ろうか迷ってて。」
コウタは寝ぼけてるみたい。
寝たまま伸びをしたあとムクッと起き上がり。
「食べる。」
と言った。
顔を洗って目覚めたコウタ。
ベーコンエッグはちょっと玉子が崩れたけど、コウタは美味しいと言って食べてくれた。
こういうの、悪くないかも。なんか新鮮。
「コウタ、今日どっか行く?」
リビングのソファーに座ってテレビを見ているコウタにたずねた。
「どこも行かない。さくらどっか行くの?」
「あたしは畑に水やりに行ってくる。」
なんだかコウタといるのって、けっこう自然でいられる。
いろいろあったのに。こういうもんなのかな。
それともコウタは特別?
今日は二人きりだけど、何も考えず過ごしてたら別にふつうかも。
昨日、コウタが駅であんなことしなかったらもっと普通にできたのに。
あれはなんだったんだろ。
とにかく今日は穏やかに過ごしたい。