恋はとなりに
なんかわかんないけど、どうやら怒っているみたいなのは確かです。
コウタってすぐ怒る。
あたしはどうしたらいいんだろう。
テレビを消して、カケル君のいるキッチンに戻った。
カケル君が今度はお味噌汁の味噌をといていた。
「コウタ、すごく怒っているみたい。部屋に行っちゃった。」
「コウタって頑固なとこ、あるんだよな。」
「最近、コウタといるとケンカばかりしてる気がする。」
あたしはお味噌汁のお碗を出した。
「カケル君ってお料理もできるのね。すごーい!」
カケル君の作ってくれた料理を食べながら、話題はコウタのことに。
呼びに行ったけど部屋から出てこなかった。
で、二人で食べることに。
カケル君の作った朝御飯を食べる日がくるとは、想像できなかったな。
「カケル君、今は彼女いるの?」
「うーん、……いないかな。」
「カケル君は長続きしないね。」
あたしは笑いながら言った。
「さくらはどうなんだよ。彼氏出来た?」
聞かれて箸が止まった。
「出来てない。この前コウタに告白されたからコウタと付き合おうと思ってたけど……。でも、今あんなんだし。考え中。」
いい終えてカケル君を見ると驚いているみたいだった。
「驚いた?」
「あ、あぁ。意外だった。」
あたしはカケル君と話ながら、辛い気持ちになりそうなのを抑えた。
カケル君に恋するのをやめてから、自分の気持ちがよくわからない。
カケル君以外なら誰でもいいんじゃないかとも、思える。
でも、恋愛対象にしてはいけないカケル君を目の前にして、割りと普通に話が出来てること自分では成長したと思いたい。