恋はとなりに


次会ったらどうしよう。どんな顔しよう。


気まずい。

「おはよう。さくら。」

学校に行こうと家を出たら、カケル君がいた。

もしかして待ち伏せしてたとか?こんなタイミング初めて。


「わぁ!おはよう。どうしたの?朝早く。」

「大学に行くんだ。」

カケル君はいつもとかわりない。
「昨日、取り乱してゴメンね。びっくりしたでしょう?」

「うん、そんなに慕ってくれて嬉しい。」

カケル君の言葉にお?っと風向きが変わったのを感じた。

「兄は嬉しいぞ。我が妹よ。」

なんだそれ!持ち上げといて突き落とそうとしてる。あたしの気持ちを弄んでるだけじゃん。

あたしはカケル君を睨み付けた。それが精一杯。

わざわざ早起きしてあたしをふりに来たんだよ。待ち伏せしてさ。性格悪い。

「ねえ待ってよ。途中まで一緒に行こうよ。」


早足で歩くあたしをカケル君が追いかけてきた。

「俺はさくらが可愛い。」
とカケル君が言うからあたしは


「じゃあ付き合って!」


と言った。

「妹みたいで可愛いんだよな。」

電車に一緒に乗って、あたしはまたカケル君を睨み付けた。

「怖い顔するなよ。笑って笑って。」

「意地悪言うから。」

カケル君の肩にパンチした。

あたしは次の駅で降りた。

「頑張れよ。」

カケル君が言った。ドアが閉まってあたしは手を振って答えた。
もうすぐ会えなくなるから来てくれたのかな?

妹みたいって言われたけど、嬉しい。

嬉しいのが悔しい。


なんだってさぁ、本当にもう。カケル君のことはよくわからない。


わかっているのはあたしの太陽だってことだけ。

妹みたいに好きってことだから、恋人にしてくれてもいいんじゃないかな。

その違いはなんだろう。


やっぱり色気かな。


胸もちゃんとあるのにな。大きくはないけど。










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