恋はとなりに
夕飯の用意が出来たのでコウタを呼びに行った。
「コウタ、夕飯出来たよ。」
ノックして部屋に入った。
コウタはベッドに横になっていた。
「コウタ、あたしね彼氏出来たの。」
と言うと、ガバッと起き上がった。
「アニキと?」
「違う~。」
と言うとコウタはムスっとした顔をした。
「じゃ、誰?」
「河瀬君と。付き合うことになりました。」
「……俺メシいらねー。」
コウタはふて寝?したようだった。
あたしは黙って1階に戻った。
カケル君と二人で食事しているとコウタが降りてきた。
あたしはコウタの食事の支度をした。
三人で食べることになったけど、
なんとなく沈黙。
見かねてカケル君が話し出した。
「コウタ、さくらに彼氏が出来たんだぞ!」
「……さっき聞いた。」
「……付き合うことになったけど、なんかよくわかんなくて。すごく好きってわけじゃないし。さっきも手とか握られて戸惑っちゃった。」
あたしが言うと二人は顔を見合わせた。
「彼氏がかわいそうだな。」
カケル君が言った。
「でも今頃喜んで興奮してんじゃね?」
コウタが言った。
「そうだろうな、でも彼女はこの冷めた感じ。温度差がありすぎる。」
カケル君の言葉にドキッとした。
「温度差ね…………確かにある。」
この温度差はなくなるのだろうか……?!疑問。
付き合っていけるのかな。
でも、河瀬君も今は嬉しいだけですぐ慣れて普通のテンションに戻るだろうな、きっと。
そしたら大丈夫かも。
あたしは一人でそんなことを考えていた。