恋はとなりに


河瀬君に電話するつもりだったけどももちゃんにかけた。

そして今日のことを話した。

河瀬君と付き合うことになったこと。

コウタといて楽しいこと。

カケル君の発言。


ももちゃんはもはやだるそうに答えてくれた。

「うん、大体わかったから。カケル君さくらのこと好きなんじゃないの?でも妹に彼氏ができて心配なだけかも。つっぱねた方がいいよ。カケル君勝手すぎ、関係ないでしょって。」


「う、うん、わかった。ありがとう。」


ももちゃんはあたしが喋り終わる前に電話を切った。

デート中だったかな。

でもちょっと落ち着いた~。

清々しい気持ちで夜空を見上げた。


星が無数に瞬いていてきれいな星空だった。


深呼吸して、家に戻ろうとするとカケル君が後ろに立っていた。

気づかなくて胸に飛び込んでしまった。

「きゃっ。」

カケル君はあたしの右腕を掴んだ。


「カケル君?びっくりしたよ。」

「どこ行ったのか探しに行くとこだったよ。」

「電話してたの。もう戻るよ。」


そんなに長い時間じゃないのに。

カケル君の過剰な心配が鼻についた。

反抗期の妹の気分になった。


文句も言いたかったけど我慢した。


コウタがお風呂からでたとこだった。


お風呂の順番は曜日で決まっていた。

火木土がコウタが最初、日月水金があたし。

カケル君は、途中参加だけど朝シャワーを浴びるから順番は決めなかった。


お風呂に入ろうと部屋で支度をしてると、電話が鳴った。

着信は河瀬君からだった。

「はい。」

「さ、さくらちゃん?俺だけど。」

「……河瀬君?どしたの?」

「何してた?」

河瀬君の声は緊張してるみたい。

「今、お風呂入ろうかと思ってたの。」


「あーそっか、ごめんごめん。タイミング悪かったね、じゃあ出たら教えて。。。。

って変かな?」
河瀬君は自信なさそうに聞いてきた。


「う、ううん。変じゃないよ。わかった~。じゃあまたねー。」

あたしは明るく答えた。

付き合うことになったらお風呂でたの教えなきゃいけないのか……







< 92 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop