恋はとなりに
「あぁごめん、洗車続けて。」
と言い、あたしは家に入った。
家に入って『河瀬君とあたしが付き合うのやだ』って言ってる人に相談しなきゃよかったと後悔した。
カケル君は手を拭きながら追いかけてきた。
「待てよ。」
あたしは階段を上り始めたところで止まって振り向いた。
そこに止まったままカケル君の次の言葉を待った。
「…………それはいやかもしれないな、と思って。」
カケル君の言葉は何てことないものだった……。
「それ言うために追いかけてきたの?」
あたしは思わず笑っていた。
そしたらカケル君も笑った。
カケル君の笑顔見てたらキュンと胸が痛くなった。
こういうのってなんだろう。
ため息がこぼれた。
そのまま2階へ上がった。