青空の下で
「青…!痛いってば…放してよ!」

でも、青は黙ったまま私の手を引っ張って歩き続けていた。



そして青は学校の裏の人気のないところで足を止めた。

振り返った青の顔はすごく怒っているようだった。


「……さっき大介と何やってたの……」

なんで怒ってるの?
言いたかったけど、いうだけ無駄だと思った。今の青は何を言っても怒られそうだし…。


「黙ってないでなんか言ったらどう?」

「…何でもないわよ…」


「何でも無いわけないだろ!じゃあなんだよさっきの状況!」

青に好きな人がいると知って泣いていたら大介に告白された何て、口が裂けても言えない…。



「…お前あいつのこと、好きなのか?」


私が大介の事が好き?

誤解だよ!

私が好きなのは青なのに…たったその一言が言えない…。
言いたくても口が動いてくれない。


「そうなのか?何か言ったらどうなのさ…」


違う…そんなわけ無い…

口ってば動いてよ…。早く誤解とかなきゃいけないのに…。


出てくるのは涙ばかり。

言葉の代わりに出る涙を私は憎く思った。


「そうなんだね、何も言わな言ってことはそうなんだね…わかったよじゃあね」


青が行っちゃう。



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