眼鏡越しの恋
あの時から・・・私はすでに瀬能君に奪われていたのかもしれない。
目も、心も。
でもそれは私が持っちゃいけない感情だと思っていたから。
瀬能君とはそれきり何もなく、ただのクラスメートとして特別な関わりもなく過ごしていたし、クラスが離れた後は、まったく接点なんてなかったから、忘れていた。
忘れようと無意識に押し込めていた・・・。
なのに、今回のインタビューのことでまた思いがけず近づくことになって、その押し込めていた気持ちがあっという間に溢れてしまった。
心の奥に押し込めていた気持ちは、いつの間にこんなに膨れていたんだろう。
ずっと忘れていたのに。
もう忘れることなんてできそうにない。