眼鏡越しの恋
彼女を縛る過去
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まだ小学生だった頃。
仲の良かった男の子がいた。
低学年の頃から、よく一緒に遊んでいた。
彼と一緒にいると楽しくて、私は彼のことが好きだったんだと思う。
幼い感情だったけど、確かにそれは“恋”だったと、今も思う。
でも、私は高学年になったある日、彼に言われた思いがけない一言ですべてが壊れる感覚を初めて知った。
『祥子みたいに不細工なヤツとはもう一緒に帰らないし、遊ばない!』
前触れもなく怒ったような顔でそう言われて、私はただ悲しくてどうしていいのかわからなかった。
周りの男の子達に私といることをからかわれていたのが、嫌だったのかもしれない。
多少年齢を重ねた今ならそう冷静に思うこともできるけど。
子供だった私はその一言にそれまでの自分がすべて壊れたような気がしたんだ。