眼鏡越しの恋



けど、思いがけないことは起こるものだ。


3年になった俺は相変わらで。
宮野以外に興味あるのは水泳だけ。


県大会、そして全国行きをかけた高校最後の地区大会。
水泳だけが取り柄の俺は、そこでやっと念願の優勝を勝ち取った。
その俺に待っていたのは、褒美とも言える願ってもないチャンスだった。


宮野が所属している放送委員会から地区大会で優勝した俺にインタビューをしたいと申し入れがあった。
普段、友達とですら、余計なことを話さない俺にとってインタビューなんて、まっぴらなことだけど、これは願ってもない機会なんじゃないかと思った。


そう、宮野に近づくための。


だから打診してきた放送委員会の委員長に条件付きでOKを出した。


インタビュアーは宮野祥子。
事前の打ち合わせも宮野と二人で行うこと。


この2つの条件が満たされなければ、インタビューは受けないと強気で答えると難なく受け入れられた。
不自然な条件だったけど、そんなことを気にしている場合じゃない。


本当の宮野を知るために。
そして、俺のモノにするために。


せっかく降って湧いたチャンス。
逃がしたりしない。



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