眼鏡越しの恋
それから数日、今までと変わらない毎日が繰り返されていた。
瀬能君のインタビューの日まで日がないというのに、結局あの後、瀬能君とは話せていない。
瀬能君からももちろん何も言ってこないから、どうしたらいいのかと気持ちは焦るけど、前には進めない私がいた。
時々、窓の外や廊下を歩く瀬能君を遠くから見ると、前まで感じなかった気持ちが湧く。
瀬能君を無意識に目で追っている自分がいて。
切ないような苦しいような気持ちになる。
人を好きになるって大変なんだな。
なんて、他人事のように思っていた。