眼鏡越しの恋
「ええぇ・・・瀬能先輩も“放送室のマドンナ”のファンだったってことですか?」
口を尖らせてそう言う提案人の女の子はいかにも不服装だ。
期待薄だと思っていたのに、OKだったなら、それはやっぱり提案した本人が担当したいと思うのは当たり前。
なのに、よりにもよって私を指名するなんて。
どんな物好きだ!と、私が一番、びっくりしているのだけど。
戸田君のトドメの一言に、みんなは反対意見など言えなくなった。
「宮野が担当じゃないなら、インタビューは絶対にやらないって言ってるから。ここは放送委員会のためにも、宮野、頼むよ」
戸田君に両手を合わせるように言われて、私は渋々、頷いた。
瀬能君みたいに目立つ人と関わりと持つのは気が進まないけど。
放送委員会のためだと言われてしまえば、副委員長の私が断ることはできなかった。