眼鏡越しの恋
「あ・・・うん」
説明する前に現れてしまったことを不味いと思いつつ、私は隣の匡を気にしながらその人を見て頷いた。
「ちょっと見せて」
そう言われて、匡の手を離してカウンターまで行こうとした私の手を、匡にすかさずギュッと強く握られて。
びっくりして見上げた匡は怖いくらい無表情で、カウンターの中にいるその人を睨みつけていた。
そして、手を繋いだまま私を引っ張るようにゆっくりとカウンターに近づく。
「ぷっ」
そんな私達を見て、カウンターの中のその人は可笑しそうに吹き出した。
匡がそれにぴくりと肩を震わせて、ますます不機嫌な雰囲気を醸し出す。
もうっ、ちょっとは気を遣ってよ!
そう思いを込めて、カウンターの中にいる彼を睨むけれど、まったく気にしないその人は、ニヤニヤと笑いながら、私達に目の前の椅子に座るように言った。
「じゃ、壊れたメガネ、見せてみて」
そう言われて、私は胸ポケットに入れていたメガネを取り出して、彼に手渡した。
「あぁーあ、コレは酷いな。フレーム歪んでるし、レンズも欠けてるじゃないか」
「ごめん・・・」
思わず謝った私に向ける匡の視線が鋭さを増した気がして、私は嫌な汗が背中を伝うのを感じた。
これを冷や汗って言うんだな・・・
なんて、頭の片隅で冷静に思う自分に嫌気がさす。
説明する前に現れてしまったことを不味いと思いつつ、私は隣の匡を気にしながらその人を見て頷いた。
「ちょっと見せて」
そう言われて、匡の手を離してカウンターまで行こうとした私の手を、匡にすかさずギュッと強く握られて。
びっくりして見上げた匡は怖いくらい無表情で、カウンターの中にいるその人を睨みつけていた。
そして、手を繋いだまま私を引っ張るようにゆっくりとカウンターに近づく。
「ぷっ」
そんな私達を見て、カウンターの中のその人は可笑しそうに吹き出した。
匡がそれにぴくりと肩を震わせて、ますます不機嫌な雰囲気を醸し出す。
もうっ、ちょっとは気を遣ってよ!
そう思いを込めて、カウンターの中にいる彼を睨むけれど、まったく気にしないその人は、ニヤニヤと笑いながら、私達に目の前の椅子に座るように言った。
「じゃ、壊れたメガネ、見せてみて」
そう言われて、私は胸ポケットに入れていたメガネを取り出して、彼に手渡した。
「あぁーあ、コレは酷いな。フレーム歪んでるし、レンズも欠けてるじゃないか」
「ごめん・・・」
思わず謝った私に向ける匡の視線が鋭さを増した気がして、私は嫌な汗が背中を伝うのを感じた。
これを冷や汗って言うんだな・・・
なんて、頭の片隅で冷静に思う自分に嫌気がさす。