恋ノススメカタ

アワアワしていると
新が私の左手をとり
自分の心臓に当てていた

何か言いたそうに
私を見てる

「え!えーー'.×<*%☆」

「ちょっと失礼な
リアクションじゃね?」


謝ろうと思った瞬間
ぐいっと体を引き寄せられた


今までに体感した事のない感覚
広くて、たくましい胸
新のシャツからは
シトラスの香りがする


「眺めてるより
触れ合ってる方がよくね?」


イイとかワルイとかじゃないでしょ
抱き合っちゃってんだよ!!
なんでこんな展開に


「ごめーん、
新の風邪が移ったみたい
今日は帰ります」


頭に血が上り顔も真っ赤なはず



新の手を振りほどいて
とりあえず走った


心の中がいつもより真っ白
そして騒がしい
頭ももうろうとして

一言でいうと


もうダメだ。。。



桜だ、桜に電話だ


「もしもし?雪、どうしたの?」

聞き慣れた桜の声

「うわ〜ん」

何だか無性に泣きたくなった


電話口では
桜が叫んていた


その頃公園では


「もう一押し!」


そう言って新は歩き出した



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