恋ノススメカタ
昼休みももちろん、桜と話をしながら
奥村新を見ています。
「雪、奥村の事好きなの?
どうにかなりたいって思わないの?」
「うーん。かなり好き!
でも、見てるのがイイっていうのかなぁ
どうにかなりたいとは
思ってないんだよね」
「彼氏にしたらずっと見ていられるよ?」
「彼氏じゃなくてもずっと見てられるけど?」
「話にならん。。。
雪、可愛いのにもったいない」
休み時間もあと少しという所で
いつも翔平君が桜に会いにくる。
ウキウキした顔で。
「桜~」
「翔平だ!ちょっと行ってくるね!」
「はいよ、ごゆっくりぃ~」
「翔平、ちょっと聞いて!!・・・・・」
まぁ、たぶん私の事で文句でも言っているんだとは思うけど。
「恋」じゃないんだもの。。
仕方ないじゃん。
「ふぅ~」
机に伏せようとした時、
奥村新と目が合う。
3秒位お互い見つめ合う。
その時はクラスメイトの笑い声も、
流れる景色も全て止まる。
ドキドキとかソワソワとかじゃなくて
胸がグゥーっと締め付けられて
心の中に
白い靄(もや)みたいなものが充満する。
でも嫌じゃない不思議な感覚。
2年生になってから2か月が過ぎ、
もう6月。
最近、たまにこんな現象が
私の中で起こる。
奥村新は目が合った時
何を考えていたんだろう?
そう思いながら目を閉じた。