愛を囁いてもいいですか。
43対42
1点差で勝ち進めた後半戦も、気づけばあと2分。
そのとき、
パシュ――ッ
「チッ」
相手側がシュートを決めた。
掲示板の得点が42から45へ。
あと2分で、2本シュート決めるのは不可能。
やるなら、スリーポイントシュートを決めるしかない。
真奈美へ視線を向けると、うなずいた真奈美を見て、私も頷く。
やるしかない。
ピッ!
ホイッスルとともに梓から投げられたボールは、私の目の前でカットされた。
クソ!
ここで負けるわけにはいかない。
この試合は私たちがもらってく。
その思いで、相手がドリブルしていたボールを奪い去り、相手側のゴールへ突き進む。
あと30秒。
白線の手前でジャンプして――
パシュ――ピーーッ!
ワァアアアーー!!!
湧き上がる歓喜。
ゴールをすり抜けてコートに落ちるボールだけが視界に映った。