愛を囁いてもいいですか。
お付き合い(1)
お試しください。
「――美味しい!」
香坂さんの運転によって連れてこられたのは、定食屋さん。
私は香坂さんおススメの生姜焼き定食を食べている。
『良かった。ここ、僕の行きつけでさ。夜勤上がりとかはいつもここなんだ。』
「そうなんですね、確かに納得です。」
目の前の香坂さんは、満足そうにトンカツ定食を召し上がっている。
お医者さんだから、いつも高級なものを食べてるんだと思ってた。
意外と庶民なところもあるんだな、と少し親近感がわいた。
「ごちそうさまでした。」
『満足できた?』
「はい!また一人で来ちゃいそうです。」
ボリューミーで美味しくて、値段もそこまで張らないし。
今度の打ち上げはここにしようかな、と思うほど、私はお気に入りになった。
『そこまで気に入ってもらえると僕もうれしい。じゃぁ、行こうか。』
「あ、はい!」
ご褒美と言われてちゃっかり奢られた私は、またもや香坂さんの運転で家まで送ってもらうことになった。