魔法のキス
どうせ神戸には帰れなかったし、お正月にひとりででいてもつまんないから、2日から初売りにしたのだ。
常連客には年賀状で伝えてあるので、来てくれるかもしれない。
店員は多くはいらないので、坂口さんに頼んだ。
優美奈と千里は、やはりお正月は休みたいということだった。
「福袋余ったら私が買いたいんですけどー!」
そう優美奈が言った。
ショップではいつも着ているけど、普段に着たことがないので、安いなら欲しいというのだ。
店員は3割引で買ってもいいことにはなってるのだが、それでも買うのはためらうらしい。
「余ったらね。安くしてあげるわ」
私が優美奈にそう言うと
「あ、じゃあ私も欲しい!」
と千里まで言い出した。
「わかったわ。いつも頑張ってくれてるから、もし余ったらボーナス出せなかったからプレゼントするわね」
「やったー!」
2人は喜んだけど、あくまでも余ったらの話である。
福袋は10袋しか用意出来なかったし、5〜6万のを1万で出すから、残らない気がする。