魔法のキス

1月2日。


朝、いつものように低血圧で重い身体を起こし、トーストとコーヒーの朝食をとり、10時前にマンションを出てショップへと向かう。


自分のショップの近くまで来たときに、人の姿が見えた。


なんだろう、お正月に何かやっているのかな?そう思いながらショップへと近づくうちに気がついた。


私のショップに並んでいる人たちだ!


「朋花さん!早くお店を開けてくださいよー!」
そう声をかけてきたのは常連客の宮嶋さんだった。


宮嶋さんは、ほんとによくうちのショップでたくさん買ってくれる人だ。
今では私を名前で呼ぶくらいに。


「宮嶋さん!もういらしてくれたんですか。みなさんも。すぐ開けますから待ってくださいね」


そうか、みんな福袋目当てに早くから来ているのだ。
予想外だった。


私は急いで着替えをし、ショップを開けた。


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