魔法のキス
シェアハウスに戻って、自分の部屋に籠った。
もう雄馬とは別れるしかないのかな。
私の事あんな風に思ってるなんて。
許せないし、元通りの2人には戻れない気がした。
雄馬から電話……。
今話しても、また喧嘩になる。
私な出なかった。
メールも来た。
ー言い過ぎたごめんー
ー少し考えたい。もうなんにもわからなくなったー
そう返事した。
それからも雄馬からの着信やメールがあったが、全部無視した。
私の心はすごく傷ついてしまい、自分でもどうしようもなかった。
それに、雄馬は私の両親とあのマンションで私と同棲することを決めた。
それが大人だと言うのか?
5月になって、久しぶりにリビングに顔を出した。
佐和ちゃんがすぐに私に気がついて、寄って来た。
「どうしたの?全然ここに来ないから心配してたのよ」
返事の変わりに涙が出て来た。
「ちょっと、朋花ちゃん。どうしよう。あ、シアタールームがあいてるかも、ちょっと向こう行こうか」
佐和ちゃんに肩を抱かれるようにして、シアタールームの方へ行った。
「良かった。誰もいないわ。朋花ちゃん座って。どうしたの?良かったら話して」
私は雄馬とのことを佐和ちゃんに話せることだけ話してみた。