魔法のキス
話を聞き終わった佐和ちゃんが、うーんと唸った。
「私もさ、まだ若いからよくわからないけど、結婚まで考えるなんてほんとに愛し合ってないと出来ないと思うよ。朋花ちゃんは雄馬くんと別れてもいいの?後悔しないの?それが嫌ならもう一度ちゃんと会って話した方がいいよ」
雄馬と別れる……?
そんなのは嫌だ!
私はやっぱり子供なんだ。
ちゃんと会って話そう。
急に雄馬にすごく会いたくなった。
もう夕方だからバイトかな?
バイト先はアパートがある駅前の焼肉屋さんだと言っていた。
今から行こう。
会わなくちゃ。
「ありがとう。佐和ちゃん。今から 彼に会いに行ってくる」
佐和ちゃんは、ヒラヒラと右手を振って笑顔で早く行けというゼスチャーをした。
私は雄馬のいる駅へと向かった。