巡り愛


「僕が無理やり検査の予約を入れたから、もしかしたら来ないかもしれないってちょっと心配だったんだ」


圭さんに見惚れる私に彼は小さく笑って呟いた。
その言葉に私は首を振った。


「そんなこと。圭さんが私のことを心配してくれてるのはちゃんとわかってるから。お医者様の圭さんが言ってくれるんだもの、私だって検査受けた方がいいって思うよ。検査を受けて、何もなければ圭さんも私も安心だもんね」


私がそう言うと、圭さんはなぜか曖昧に笑った。
そしてそっと手を伸ばして、私の髪をゆっくりと撫でた。


「そうだね・・・ちゃんと検査すればわかるから」


圭さんの瞳の奥にある不安な色は何を思ってのことなんだろう。
そんなに不安になるほど、私の体調が悪く見えるのかな?


私は至って元気なのに。


検査をして、早くこの圭さんの不安を取り除きたいと私は強く思っていた。


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