巡り愛
父が会合から帰ってきて、僕の仕事ももうすぐ終わる・・・そんな時だった。
いきなり玄関に飛び込んできたあいのお父さんに、僕は嫌な胸騒ぎを覚えた。
「あいが、倒れたらしい」
僕は夢中で家を飛び出した。
雨が降っているのもお構いなしに、傘も持たずにただひたすらあいの病院を目指して走り続けた。
あい、あい、あい!!!
どうして倒れたのかも聞かずに飛び出してきたから、あいの状況がまったくわからない。
昨日まで変わらない様子だったのに、急にどうして!?
あい、待っていて!!
胸が引き裂かれるような感覚に襲われながら、僕はただ夢中で走っていた。