巡り愛
不安の波紋
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東都大病院で検査を受けてからちょうど1週間。
今日は検査結果を聞くために、私はまた“心臓内科”の受付の前に座っていた。
「あい、おはよう」
1週間前と同じように、椅子に座る私の頭上から圭さんの優しい声が聞こえた。
「圭さん・・・おはよう」
私のすぐ目の前でかけてくれた声と同じくらい優しい眼差しを私に降り注いでいる圭さんの白衣姿に、私はまたしても鼓動が跳ねた。
何度見ても慣れないな・・・
私の隣の椅子にそっと座った圭さんを見つめながら、私は心の中で苦笑いした。
「今日も来てくれるなんて、ごめんね?」
お仕事あるのに・・・と小さな声で謝ると、圭さんはにっこりと笑って首を左右に振った。
「僕が来たくて来てるんだから。仕事はちゃんと調整してあるから大丈夫」
そう言って私の手に重ねられた圭さんの大きな掌が温かくて。
気遣ってくれる圭さんの気持ちが嬉しくて。
私も圭さんに「ありがとう」の言葉と笑顔を返した。
『水瀬あいさん、3番の診察室へお入り下さい』
前回と同じアナウンスが聞こえて、私はやっぱり圭さんに手を引かれて立ち上がると、診察室へ向かった。