巡り愛
「お前のことだから自分がそばにいるからあいちゃんがこうなったとでも思ってるんだろうけど、そばにいるせいじゃない。敢えて言うなら、お前が不安になり過ぎているからじゃないのか?お前の言う“前世”の記憶に引きずられ過ぎてて、過剰に心配したり、不安になったり・・・そういうのがあいちゃんに伝染したんじゃないのか?」
「・・・・・僕の不安があいに伝染した?」
「ああ。人って、他人の感情に意外と左右されやすい生き物だろ。身近な・・・たとえば恋人が喜んでたり、幸せそうにしていたら自分も嬉しいし、幸せだと感じる。逆に、相手が悲しんでたら、ツライと思うし、不安そうだったら、こっちも不安が募る。あいちゃんだって、お前が不安そうなの、わかってたと思うぜ。不安そうなお前を見て、あいちゃんも不安だったんじゃないのか?」
「・・・・・・・・」
矢野の真剣な言葉に、僕は言葉を発することができなかった。
それくらい矢野の言葉は僕をハッとさせたんだ。
あいが笑っていると僕も笑顔になる。
あいが幸せそうだと、僕も心から幸せだと思える。
あいが悲しそうな顔をしていたら、僕もツラくなる。
あいがもし何かに傷ついたら、僕も同じように痛みを感じるだろう。
不安だって・・・
矢野の言う通り、僕の不安があいに伝染してしまっていたのかもしれない。