巡り愛


圭さんはお母さんの時と同じように苦笑いしている。
お父さんは私へ視線を戻すと、またにっこりと笑ってくれた。


その笑顔に心がまた温かくなって。


それがなぜだかわかった気がした。


圭さんの笑顔と雰囲気が同じなんだ。


圭さんはお母さん似で笑った顔もお母さんと似ていると思ったけれど、柔らかくにっこりと笑った時の雰囲気はお父さんのものと同じだ。


やっぱり親子。


圭さんはお父さんともお母さんとも似ているんだな。


当たり前なことだけど、それはとても素敵なことだと思えた。


私がそんなことを思って、クスリと小さく笑みを零すと、圭さんとお父さんは不思議そうな顔をして私を見た。


そんな表情もやっぱり似てる。


私がますますクスクスと笑い声を上げるから、2人とも顔を見合わせて訝しげに首を傾げた。


「圭、笑われてるぞ」


「僕じゃなくて父さんだろ」


言い合う姿も微笑ましくて。
私は笑いながら声をかけた。


「ごめんなさい、違うんです。2人ともよく似ているからなんだか微笑ましくて」


私の言葉に2人はまた顔を見合わせた。



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