巡り愛
「・・・んっ・・・ふぅっ・・」
これまで何度も重ねたことのある圭さんとのキスだけど、今までのキスとはまったく違う全てを奪うような激しいキスだった。
唇と舌ですべてを絡め取るように口内を侵される。
その激しささえも愛しさが増すだけで、私も夢中でそれを追いかけていた。
ずいぶん長い時間だった気もするし、一瞬の出来事だった気もする。
お互いを求め合うような濃厚なキスの嵐のあと、どちらともなく離した唇は銀色の糸を引く。
「・・・はぁっ・・はぁっ・・・」
絶え絶えになった呼吸を整えるために、大きく息を吐くと、徐に圭さんに強く抱き寄せられた。
「あい、もう止められないよ。本当にいぃ・・・」
「止めないで!」
圭さんの言葉に被せるように言い放って、私は彼の背中を強く抱き締め返した。
「・・・・・あい、愛してる」
更に強く抱き締められて、耳元に落とされた絞り出すような圭さんの切ない囁きに、私は心が掴まれたみたいに締め付けられた。
圭さんが好きで好きで、愛しくて、堪らない。
「私も愛してる」
こみ上げてきた涙が視界を滲ませる。
その先で圭さんが切なげに・・・でもとても幸せそうに顔を歪ませていた。