巡り愛
「あいが謝ることなんて何一つないよ。もう不安にならないって、あいの心も体も僕のモノにしたいって決心したのに、いざとなったらキミに無理をさせてしまうんじゃないかって怖じ気づいた僕が情けないんだから」
「そんなこと!圭さんは私を気遣ってくれたのに・・・でもさっきはどうしても今じゃなきゃって・・・」
言いながら恥ずかしさが増して、だんだん声が小さくなっていく。
私は赤くなった頬を隠すようにもう一度圭さんの胸に顔を埋めた。
「うん、ありがとう。僕もあいが欲しくて堪らなかった。だから本当に幸せだ」
「圭さん・・・私もすごく幸せ」
ぎゅうっと抱きしめ合って、お互いの想いを伝え合う。
吸い付くように重なる素肌と素肌が堪らなく気持ちよくて、幸せだった。
「あい、愛してるよ。ずっとこうしていたい」
「私も愛してる。もうこの腕の中から離れられないくらいに」
「もう離さないよ、絶対」
甘いキスの雨が降る。
額に瞼に頬に。
そして濃厚に重ねられた唇へのキスは2人の想いが交じり合うように深く甘く何度も繰り返された。
お互いの肌を重ねて。
一つに結ばれて。
愛しい想いも幸せな気持ちも。
限りがないほど、ずっと大きく膨らんだ。
『やっと本当にあなたのモノになれた』
心の中であの頃の私が嬉しそうに涙を流しているような気がした。