巡り愛
「さっきの言葉の意味は僕に会いたいってことだろ?僕も会える時間はキミに会いたい。ずっと一緒にいたい・・・あいもそう思ってくれてるって思っていいんだよね?」
私はコクリと小さく頷いた。
私を見つめる圭さんの瞳も、はっきり言ってくれた言葉にも圭さんの想いがいっぱいこもっている。
熱いその瞳と言葉に私は震えてしまうほど、嬉しさを感じた。
「私もずっと圭さんと一緒にいたい。だから・・・明日はここに帰って来て下さい」
「はい・・・。大好きだよ、あい」
私が改めてお願いすると、圭さんは満面の笑みを綻ばせて頷いた。
そして『大好き』と言うと、腕の中にいる私に甘くて優しいキスをくれた。
「・・・私も、大・・好き」
キスの合間に想いを告げて、私は圭さんの首に腕を回して繰り返されるキスの甘さに酔いしれた。
「じゃあ、終わったら電話するね」
「うん、待ってるね・・・気を付けて行ってらっしゃい」
「・・・行ってきます」
『行ってらっしゃい』も『行ってきます』もすごく照れくさいけど、すごく嬉しい。
こんな些細なやり取りが新鮮でとても幸せだと思った。
圭さんも少し照れたように目元を赤くして、はにかむように笑うと、助手席から降りた私に手を振ってゆっくりと車を発進させた。
きっと明日には、『おかえりなさい』と『ただいま』って言葉を交わして、またすごく幸せな気持ちになれるんだろうな・・・。
そんな幸せを思い描きながら、私は圭さんの車が見えなくなるまでずっと見送っていた。