巡り愛


お義父さん達の時間が許すまで色んな話を4人でしていた。


これからのことや、お家のこと、圭さんの子供の頃のお話まで聞けて。


圭さんは子供の頃のお話は嫌がっていたけれど、私が知らない圭さんを知ることが出来て私はとっても嬉しかった。


それに私はこの時初めて圭さんに妹さんがいることを知った。


圭さんの妹さんはまだ大学生で、実家を出ているらしい。
そして将来はお義母さんの跡を継いで旅館の女将さんになることになっていると話してくれた。


だから旅館のことは気にしないでと言ってくれたことに正直私は少しホッとした。


私に旅館の女将さんなんて絶対無理だもの。


それでも圭さんのお嫁さんイコール女将さんだと言うのなら頑張ろうと密かに思っていたんだけど。


「あいちゃんはお嫁さんに来てくれるだけで私達は嬉しいのよ」


優しい笑顔で私の手を取ってくれるお義母さんに止まっていた涙がまた混みあがった。



< 255 / 304 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop