巡り愛
「僕の世界もあいに出逢って変わったよ。あいが隣りにいてくれると今まで見ていた景色も、当たり前だと思っていたこともすべてが特別に見える。今までの僕の世界はモノクロだったんだって思うほど、キミと出逢ってからは鮮やかになった」
だから・・・と続ける圭さんの真摯で想いのこもった熱っぽい瞳から目を離せない。
自然と溢れた涙が頬を伝う。
「あいが僕と同じことを思ってくれていて、例えられないくらい嬉しかった」
圭さんは私の頬に伝う涙をその親指でそっと拭ってくれる。
私を見つめたままの瞳はすごく優しくて、愛しそうに注いでくれる眼差しが私の体を熱くする。
「僕のこれからの未来もこのまま鮮やかな世界でいられるように、ずっとずっとそばにいてくれる?」
涙で濡れる私の瞳を圭さんが触れるほどの距離で覗き込む。
私は嬉しくて、ただ嬉しくて。
何度も何度も頷いた。
「圭さんも・・・圭さんも私の世界が輝いて見えるようにずっとずっと一緒にいてね」
「もちろん。あいが嫌だって言ってもずっと一緒だから。もう絶対に僕の前から消えさせたりしないよ」
「嫌だなんて一生、言うわけない」
圭さんと一緒にいることを自分から拒否するような言葉を口にするなんて、絶対にないって自信を持って言える。
こんなにもそばにいることが幸せで。
他の誰にもこの場所を譲りたくないって。
私のための場所だって独占欲がいっぱいなのに。
こんなに特別で私を幸せにしてくれる場所なんて他にあるはずなんてないんだから。
圭さんをまっすぐ見つめてはっきり言い切った私に、圭さんはとても嬉しそうに口角を上げて目の前にある私の唇を奪うようにキスをした。