巡り愛
「だから、もう絶対油断しないで。他の誰かに触らせるなんて無理だから。さっきだってアイツを殴り倒したいくらい腹立たしかったんだからね」
僕以外の男に抱き締められてる姿なんて、もう二度と見たくない。
「うん、ごめんなさい。私は圭さんだけのモノだから。ずっとずっと独占していてね」
僕の腕の中でトロンとした瞳をして僕を見つめるあいの台詞に僕はクラッとなる。
自覚があるのかないのか・・・たぶん、ないんだろうけど。
「そんな顔して、そんな可愛いこと言うと・・・知らないよ?」
ドキドキと速まった鼓動を隠してニヤリと笑う僕に、あいはやっぱりわかっていない顔をして首を傾げるから。
僕はその傾いた顔にチュッと軽くキスを落とした。
あっという間に真っ赤になって目を丸くするあいが可愛すぎて、僕はあいを抱き締めながら笑い声を上げた。
「それじゃあ、早く帰ろうか。続きは帰ってからじっくりとね・・・僕を心配させたお仕置きもしないとな」
「えぇっ、お、お仕置きって!?」
「当然だろ?もう絶対こういうことがないようにあいの体にも教えておかなきゃね」
「え、えぇぇっ」
大袈裟に反応するあいが可笑しくて、可愛くて堪らないから。
僕は意味深に口角を上げてあいの頬にもう一つキスをして、耳元に甘く囁きを落とした。
「今夜は覚悟しておいてね」