必然トラップ【おまけ追加】
「あっ、待ってすず! これあげる!」

「え?」



ぎゅっと手のひらに握らされたものを見てみると、それは黄色い画用紙を切って作られた文化祭用の食券で。

書いてある文字を読んだ私は、思わず目を輝かせた。



「わ! パフェ?」

「2Eの友達にもらったの。喫茶店やるらしいから……お詫びと言ってはナンだけど、よかったら使って」



そう言ってにっこり笑う穂波に、こちらも思わず笑顔を返す。

やった! パフェ大好き!



「ありがと、穂波!」

「えへへ。それじゃあね、すず」

「うん。穂波もがんばって」



クラスでお揃いの赤いポロシャツを着た穂波と、今度こそ別れて。

私はガヤガヤと騒がしい文化祭モードの廊下へ、足を踏み出した。
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