必然トラップ【おまけ追加】
「速見くんのとこは? D組だよね?」

「あーうちな。占いの館」



あっさり言ったそのせりふに、私は思わずプッと吹き出した。



「占いの館?! 何それ大丈夫なの?」

「ちゃんとしてんだぞ。占い師は白薔薇の予言者ナントカとか、月光の貴公子ナントカとか肩書きつけてさ」

「え~?」



完全におふざけっぽい彼の話に、くすくすと笑う。

さすがお祭り騒ぎの文化祭。何でも有りだわ~。



「ま、倉本も来てってよ。きっとおそらくたぶんもしかしたらイイコトあるから」

「あはは、うん。ぜひ行かせてもらうわ」



やっぱり速見くんはどこか斜に構えた言い回しで、それが可笑しかった私は素直に笑顔を浮かべて手を振る。

彼らは奥の方のテーブルに座ると、接客係の女の子からメニューを受け取っていた。

ああ女の子、速見くんにぽーっとなってる……悪いオトコめ。



「占いの館、か……」



パフェの底の方にあった白玉をすくいながら、小さく呟く。

そうだなぁ、せっかく速見くんがすすめてくれたんだし。(本人のやる気はさておき)

この後、行ってみようかな。
< 6 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop