必然トラップ【おまけ追加】
「うむむむむむむむ……」
「………」
15分後。お誘い通り占いの館に来た私は、早くも後悔しかけていた。
いや、訂正。後悔していた。
「(……この人……疲れないのかな……)」
「うむむむむむむむ……」
かれこれ2、3分は、この占い師さん唸りっぱなしである。
その実態は自分と同じ高校2年生の男の子なんだろうけど、黒いベールを頭からすっぽりかぶって口元もスカーフで隠されている姿は、なんだか異様なオーラが漂っている。
ていうかこのおっきい水晶、本物かなぁ。もし本物なら、買ったら高いんだろうなぁ……。
占い師さんを差し置いて、完全に意識を別のところに飛ばしている私。
すると突然、「ハァッ!!」と占い師さんが奇声をあげたので、驚いた私は思わずビクリとからだをはねさせた。
「見えました、今日のあなたの運勢……」
「ど、どうでしょう?」
神妙な相手の声音に、こちらも神妙な表情で言葉を促す。
あまり顔は見えないんだけど、目の前の人物はにっこり笑ったような気がした。
「今日のあなたは、恋愛運が絶好調! 特に高い所が吉でしょう!」
「………」
15分後。お誘い通り占いの館に来た私は、早くも後悔しかけていた。
いや、訂正。後悔していた。
「(……この人……疲れないのかな……)」
「うむむむむむむむ……」
かれこれ2、3分は、この占い師さん唸りっぱなしである。
その実態は自分と同じ高校2年生の男の子なんだろうけど、黒いベールを頭からすっぽりかぶって口元もスカーフで隠されている姿は、なんだか異様なオーラが漂っている。
ていうかこのおっきい水晶、本物かなぁ。もし本物なら、買ったら高いんだろうなぁ……。
占い師さんを差し置いて、完全に意識を別のところに飛ばしている私。
すると突然、「ハァッ!!」と占い師さんが奇声をあげたので、驚いた私は思わずビクリとからだをはねさせた。
「見えました、今日のあなたの運勢……」
「ど、どうでしょう?」
神妙な相手の声音に、こちらも神妙な表情で言葉を促す。
あまり顔は見えないんだけど、目の前の人物はにっこり笑ったような気がした。
「今日のあなたは、恋愛運が絶好調! 特に高い所が吉でしょう!」