必然トラップ【おまけ追加】
トン、トン。電気がついていなくて少し薄暗い階段を、ゆっくりと上がっていく。

……高い所が吉、で、屋上を連想するなんて、我ながら安直だと思うけど……。

だけどどーせ、時間はまだまだあるしね。今日くらいは胡散臭い占い師さんの話に乗っかったりしてもいいでしょ。


階段をのぼりきった私は、そっと目の前の重厚そうな銀色の扉を押し開けていく。

屋上が開放されていることは知っていたけれど、私自身来るのは初めてのことで。

私は胸を高鳴らせながら、扉を開いた。


──そして。



「え……」



屋上には、ひとりの先客がいた。

入口から見て正面のフェンスにもたれていたその人物が、ゆっくりとこちらを振り向く。

自分と同じ色のTシャツを着て、笑みを浮かべたのは──クラスメイトの、アイツ。

ウソ、と、私のくちびるが自然に動いた。
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