蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
もっと話していたい所だったが。

「私、そろそろ行かなくちゃ」

少女は絵本を閉じて立ち上がる。

「そう、それじゃあ私達も行くわ」

「道に迷わないように気をつけてね、ここら辺複雑だから」

冴子と俊平が言う。

「うん、有り難う!」

手を振りながら駆けていく少女。

「ホント可愛い子だねぇ」

見送る俊平の鼻の下は、少し伸びている。

「石動君はああいう子が好み?…ロリコンなのね…」

冴子、ジト目…。

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