蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
「あがっ!」

またもダウンを喫する耕介。

賞金稼ぎを名乗るだけあって、夏彦のボクシングセンスは抜群だった。

「こんなとこで披露してねぇで…プロでも目指しゃいいものをよ…」

ヨロヨロと立ち上がる耕介。

「……」

無言のまま、夏彦はトドメを刺そうとする。

素早く接近して、右のストレート!

しかし。

「!?」

耕介はこれを仰け反って回避し、同時にその右ストレートの手首を両手で摑む。

更には飛びつくように両足を腕に絡め、そのまま夏彦を転倒させて肘の関節を極める。

飛びつき腕十字固め!

< 16 / 440 >

この作品をシェア

pagetop