蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
「ジェシカ・コールマンといいます」

ソファに座ったその美女…ジェシカと耕介の前に、雛罌粟の淹れたアイスコーヒーが置かれる。

「父が貿易商をしていまして、その関連で輸入雑貨を扱う会社を任されています」

「へぇ…乳がねぇ…」

スーツの襟元から覗くジェシカの豊満な胸を見ながら言う耕介。

乳違いである。

「今回は日本に商品の買い付けに来たんですが、何せ日本は初めてで…女一人で知らない国を歩くのも危険かと思いまして、蓮杖さんに身辺警護をお願いしたいんです」

「身辺警護ねぇ…」

雛罌粟の淹れたコーヒーを一口飲み、耕介は考える。

「探偵なんて俺以外にもいるだろうに…何でまたここに来たんだ?」

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