蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
「そ、そういえば雛罌粟さんは」

この不気味な雰囲気を何とか紛らわせたいと思ったのか。

俊平が雛罌粟に話しかける。

「あの探偵さんとセフレだって…」

「バカッ!」

すかさず俊平の足の甲を踏みつける冴子。

俊平は痛さに飛び上がる。

思春期の女の子に対して、何というデリカシーのない質問。

だから『我が校の最底辺』などと言われるのだ。

しかし。

「うん、そう」

雛罌粟は気に障った風でもなく、無表情に頷く。

「探偵さん、私を上手に虐めてくれる…探偵さんが相手だと」

雛罌粟は、恍惚とした表情を浮かべた。

「ゾクゾクするの…」

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