蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
耕介がそういう気分じゃないのは、言われずともわかっている。

自分の心の闇と向き合った。

自分を捨て、人殺しとして道を踏み外しそうになった。

闇に堕ちそうになった。

それでも、何とか雛罌粟の呼びかけで踏み止まれた。

「探偵さんは…『こっち側』の人間です…不良探偵でも…人殺しじゃありません」

いそいそと制服を身に纏う雛罌粟。

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