蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
そんな会話をしながら歩いていた三人は。

「あ」

今までとは違う部屋を見つける。

部屋と言っていいものか。

そこはトイレだった。

やはりこれまでの廊下と同じくコンクリート造り。

普通の公衆トイレのようにタイルが貼られている訳でもなく、灰色の壁剥き出しの、お世辞にも明るい印象は感じられないトイレだ。

だが覗いてみた感じでは不潔な感じはしないし、一応水洗も通っている。

用を足す分には問題なさそうだ。

「…ちょっと待ってて」

冴子がスタスタと歩き出す。

その足はトイレの方へ。

「何だ冴子さん、オシッコ行きたかったの?それとも…」

またデリカシーのない発言をした俊平は。

「あいたっ!」

冴子に引っ叩かれた。

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