蓮杖探偵事務所の飄々事件簿

手招く浴槽

「石動君っ!石動君っっ!」

俊平の制服にしがみ付く冴子。

その恐怖からかしゃくり上げ、言葉は要領を得ない。

「どうしたの冴子さん、落ち着いて、何かあったのっ?」

冴子の肩に手を置いて、何とか落ち着かせようとする俊平。

しかし泣きじゃくる彼女は、なかなか落ち着きを取り戻さない。

埒があかないと踏んだのか。

「あっ!」

雛罌粟が単身トイレの中へと入っていく。

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