蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
「…へぇ、車が…」

探偵事務所に隣接するガレージの前。

雛罌粟は耕介から事のあらましを聞く。

「とりあえず、顔を洗った方がいいと思います…油…ついてますよ」

「ん…ああ」

雛罌粟に言われて初めてその事に気付く。

事務所の方に移動しながら、耕介は思案に暮れた。

さてどうしたものか。

愛車を廃棄したものの、すぐに次の車が購入できるほど、蓮杖探偵事務所は儲かっていない。

移動の足がないのは正直不便だ。

当面の所は原付でも買って我慢するか。

しかし雨でも降ったらもう困る事になる。

本当にどうしたものか。

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