蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
男は手にしていたアタッシュケースの中から資料を出す。
「中東で武装勢力が幅を利かせているのは、お二人もニュースなどでご覧になった事があるでしょう…その中東のある国で、現在大規模な武装勢力が戦闘行為を繰り返しています…宗教問題、領土問題、人種問題、理由は様々ですが、罪もない一般市民が戦闘の犠牲になり、多くの犠牲者が…」
「おいおい待て待て」
説明の途中で耕介が口を挟んだ。
「あんた俺をPMC(民間軍事会社)か何かと勘違いしてないか?俺ぁ只の私立探偵だぜ?遠い中東の国まで行って戦争ごっこなんかできねぇよ、ランボーじゃあるまいし」
「必要経費はCIAで持ちます。報酬も別途支払いますし」
「そういう事を言ってんじゃねぇよ。業務外だってんだよ」
呆れたように溜息をつく耕介。
「……」
男は耕介から視線を外し、省吾の方を見る。
「矢沢さん、貴方も同意見ですか?」
「ああ」
頷く省吾。
罪もない一般市民が戦闘に巻き込まれるのは確かに不憫だが、だからといってわざわざ中東まで行って救ってやるほど、省吾も酔狂ではない。
「中東で武装勢力が幅を利かせているのは、お二人もニュースなどでご覧になった事があるでしょう…その中東のある国で、現在大規模な武装勢力が戦闘行為を繰り返しています…宗教問題、領土問題、人種問題、理由は様々ですが、罪もない一般市民が戦闘の犠牲になり、多くの犠牲者が…」
「おいおい待て待て」
説明の途中で耕介が口を挟んだ。
「あんた俺をPMC(民間軍事会社)か何かと勘違いしてないか?俺ぁ只の私立探偵だぜ?遠い中東の国まで行って戦争ごっこなんかできねぇよ、ランボーじゃあるまいし」
「必要経費はCIAで持ちます。報酬も別途支払いますし」
「そういう事を言ってんじゃねぇよ。業務外だってんだよ」
呆れたように溜息をつく耕介。
「……」
男は耕介から視線を外し、省吾の方を見る。
「矢沢さん、貴方も同意見ですか?」
「ああ」
頷く省吾。
罪もない一般市民が戦闘に巻き込まれるのは確かに不憫だが、だからといってわざわざ中東まで行って救ってやるほど、省吾も酔狂ではない。