蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
ともかく、ここに長居する理由はない。

早々に雛罌粟を助け出して、この建物を脱出しなければ。

「あのバスタブから救出に向かうしかないな」

夏彦が踵を返す。

「そうだな…」

となると、素潜りでバスタブの中を進むしかないか。

一張羅のダークのスーツがずぶ濡れになる事を想像し、耕介は溜息をつく。

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