蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
「それにしても」

夏彦が耕介の顔を見る。

「犯人達がドジを踏んだとすれば、偶然にもあんたを監禁してしまった事だな…こんな場所、俺達だけではトリックを見破れずに本当に殺されていたかもしれない」

「本当…探偵さんと一緒だったのは運が良かったです…」

雛罌粟も抑揚なく言うが。

「……」

片手をハンドポケットにして、もう片方の手で顎の無精髭を撫でながら。

「偶然だと思うか?おめでてぇなお前ら」

耕介はニヤリと笑う。

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